風

 白樺の木立の中を、柔らかな薫風が通り抜ける

 この香りを何と表現すれば良いのだろうか

 一転、強風に変わる

もやっとした生温い風なのに、帽子が飛ばされそうになる

帽子を押さえながら、急いで帰路につく

空は、徐々に黒い雲に変わっていく

やがてポツリポツリと雨粒が落ちてくる

さらに、風は強さを増して、横から吹いてくる

太目の木の下で雨除けをする

傘を持って来なかったことを仕切りに反省するが、先ほどまでの天気がこれほど急に変るとは予想もしなかった

雨に濡れた木の葉が風に舞いあがる

白樺とは違った匂いがするが、場所によっては白樺と交じり合った不思議な匂い

暫くしたら、雨はあがった