6月の雨

 

6月の雨】

一瞬、強烈な閃光が走る。

やがて、大粒の雨が石礫のように降り出す。

雨は道路に跳ね返り、水溜りが見る間に大きくなっていく。(この雨は止むのだろうか?)

昨日までの真夏のような暑さはなんだったろう。

 道端には金鶏菊、クローバー、姫じょおんなどがこれ見よがしに咲いている。

 学生の頃、雷鳴が轟いた時間があった(日本史の時間だったと思う)。皆な、視線は窓の方向にくぎ付けになった。そこで、先生は一言、「皆さん、大丈夫です。私は皆さんより長生きしていますが、未だに止まない雨は降ったことがありません。」教室は何事もなかったかのように平穏を取り戻した。

ウオーキング途中の私は、「さて、この雨の中どうやって家へ帰ろうか」と思案していた。

田圃では蛙が一斉に鳴きだした。ラジオはまるで分っていたかのように「雨降りお月さん」が流れている。飛ばして走る車に雨水を跳ねられ全身ずぶ濡れになった。あとは、ええいままよとびしょ濡れで家に帰った。